nostalgiamind.13


「そうだな。せめてあいつが目的を果たして、危なっかしくなくなるまでは、いてやりたいと思っている」

蒼は髪をかき上げて窓の外に目をやった。

「俺には責任があるからな。あいつの命を助けた以上は、そのまま放ってはおけない。華憐が国を取り戻す為に戦うなら、協力しないとならない。華憐が自分で自分を追い詰めて、いつか壊れないように支えてやらないと……誰だって一人は辛いからな」

少しして、阿紋が笑みを浮かべて言った。

「そうして子供には優しいのだな。おかしな性分だ。女性だったら引き回して泣かせて終わりだろうに」

「だけどさ、華憐だって可愛いよね。その内とんでもない美人になるんじゃないかな」

冗談交じりな口調だが何処か真剣な響きが込められた信武の言葉に、蒼は軽く笑った。

「あいつにはまだ、そんな余裕無いだろう」

少し間違えたら壊れてしまいそうな微笑みは儚くて。

いつも君が見つめる、その張り詰めた景色を光に変えたくて。

消えない記憶を背負いながら、自分には届かない深みを目指す。

いっそ全て忘れてしまえたなら、美しい夢を見れるかもしれないのに。

それでも振り返らない君は、諦めを知らない痛みを恐れない子供のままで涙を閉ざして。

進んで行くのだろう、前へと。





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