nostalgiamind.17
しばらく歩いて、来た時に通った道に出ると、蒼は迷わず城の方へ体を向けた。
「蒼、何処へ行くの?街はこっちだよ」
「行かなくていいのか」
蒼が真剣な瞳で見返す。
「今行っておかないと、もうしばらくは来れないぜ」
「…………」
華憐は少しの間黙って蒼の明るい色の瞳を見つめていたが、やがて頷いた。
「そうだね。行っておいた方がいいかもしれない」
信武と阿紋の方を向いて尋ねる。
「少し寄り道する事になるけど、いい?」
「うん、構わないよ」
「貴女が行くと言うなら、異論などある筈が無い」
「有り難う」
蒼が城へ続く道に踏み出しながら言った。
「じゃ、行こうぜ」
口調は軽かったが、その瞳は華憐を気遣うように見ていた。
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Reservoir Amulet