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不審に思っている様子は見えないが、しばらく返答は無かった。

やがて姫の唇だけが音を発さずに動く。

「アウローラ様、ですか?」

唇の動きを見詰めて尋ねると、頷きが返って来た。

「そうですか、良いお名前ですね」

すると、アウローラと名乗った姫は黙ったまま見詰め返して来た。

長い眠りから覚めた直後だからか、上手く声を出せないのかもしれない。

ライオスはその事について深く追求はせず、アウローラの手を取った。

「落ち着いて聞いて下さい、姫。貴女は此処で、百年もの間眠っておられました。それより以前に何があったのかは詳しく存じませんが、今この城にいらっしゃるのは貴女お一人です。この国の統治は他の者の手へと渡り、此処は人々の間で口伝えに話されるだけの地となっています」

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