09


永い永い夜が明けた。

奇跡は、起こらなかった。

朝日が雨に濡れた大地を照らす頃、青年は静かに息を引き取った。

アウローラは今もまだ、冷たくなった青年の手を握ったまま動かない。

声を掛ける事も出来ず、ライオスは離れた場所からその様子を見守っている。

彼女が何を思っているのかは分からない。

助けられなかった自分を責めているのだろうか。

悔やんでいるのだろうか。

その姿を見ながら思い出すのは、うなされていた青年が僅かに目を開けた時の事だ。

滝のような汗を流し、苦しそうな息をつきながら。

空が白み始めた夜明け前、あの時確かに青年は意識を取り戻したのだ。

半分は夢の中だったのかもしれない。

それでも、彼は細く目を開けて手を握るアウローラを見た。

- 28 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2