11
静かに弔って、安らかな眠りを祈る。
身元が分からないから、青年の家族や友人へ伝える事も出来ない。
ただこうして、悼むしか出来ない。
眠った後位は、せめて。
心痛む事の無い、平安を。
「……行きましょうか、ローラ」
佇む姫の肩にそっと手を置いて言うと、頷きが返って来た。
その白い頬には、涙の跡が残っている。
胸の内に刻まれた傷の跡は、きっと消える事は無いだろう。
しかし、痛みを知って行く程に蒼玉の瞳は深みを増して行くように思える。
少々の事では消させない強い輝きが宿って行くような気がする。
それは抗えない哀しみに打ちのめされそうになっても、負けはせずに。
そこから尚、夢を語るような。
穢れ無き幻想を抱くような。
そんな優しい強さだ。
そう考える内にふと、以前通った街で聴いた旋律が口をついて出た。
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Reservoir Amulet2