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昔から歌い継がれて来たという、激しさを秘めた静かな旋律。

「……?」

不思議そうに見上げられ、あの時の事を思い出しながら説明する。

「貴女に出会う前に通った街で聴き覚えた曲です。ずっと昔から伝わって来たそうで。本当は詩もあるんですが、女性の気持ちを綴ったものでしたから、私が歌うのはちょっとね」

それなのに旋律が唇から溢れたのは、きっとこれが弔いと愛の歌だからだ。

永遠を越えて行く想いが息衝いた証だからだ。

あの青年の叫びも、きっと消えはしないと思える。

人の抱く強さが伝わって来る。

だからこそ、いつか。

「何回も頭で繰り返したので、詩もすっかり覚えてしまいました。私には歌えないのに、おかしいですよね。でも、いつか……」

ライオスは、そこで言葉を飲み込んだ。

これを口にする事は、声を無くした乙女を追い詰めてしまうかもしれない。

それに何より、自分らしくない事この上無い。

でも、それでもいつか。

いつか、聴いてみたいと願ってしまう。

アウローラの紡ぐ、優しき永遠の歌を。





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