13
何日か掛かって山を越え、街へと辿り着いた。
戦場から近い街は、これまでよりも空気が張り詰めて重く感じられる。
本当は、このまま進む事に危険もあると分かっていた。
それでも、此処へは立ち寄る必要があると思えた。
人知れず息絶えた青年についての情報があるとするなら、この街にある可能性は高い。
中に入ってすぐ、軍服に身を包んだ男数人に呼び止められた。
「おい、そこの二人」
「……何か?」
平然とした表情で尋ねたライオスと、その隣に立つアウローラを、男達は探るように交互に見る。
「旅の者か?」
「ええ。兄妹で、行方知れずになった両親を捜していまして」
すらすらと言葉を並べてから、忘れずに釘をさす。
「あまり妹を怯えさせないで下さいね。私に似て、繊細なのです」
爽やかな笑顔を浮かべているライオスに胡散臭そうな目を向けながらも、男達は用件を優先した。
「警戒するな。尋ねたい事があるだけだ。脱走兵を見なかったか?」
「……脱走兵ですか?」
「ああ。戦いの途中で持ち場を捨てて逃げ出した、臆病な裏切り者だ。年齢は……お前よりも若い位だな」
- 32 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet2