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「……そうですね」
ライオスは息をつき、剣を収めた。
「私は、傷付けてはなりませんね。平和を願うなら、尚更」
その言葉を聞いて、アウローラが真剣な顔で頷きを返す。
二人の様子を見ていた男達も構えを解き、ライオスに向かって口を開いた。
「脱走者というのはお前か」
「……さあ。ご想像にお任せします」
「一国の王子でありながら、全てを捨て逃走したと?」
隣のアウローラが目を瞬いて見上げているのを感じながら、自嘲気味の笑みを浮かべて返す。
「そこまで分かっているのなら、早く捕らえたらどうですか?その為に捜していたのでしょう。私はもう逃げも隠れもしません。ただし、彼女は助けて下さい」
哀しくなる程に綺麗な瞳を見詰めて続ける。
「寄る辺を無くした娘さんです。此処で私と共に罪人として捕らえられる義理など、微塵も無いのですから」
「それは我々が決める事ではない。あの方に一存する」
「あの方?」
男達の態度を不審に思って聞き返した時、路地に誰かが入って来た。
やけに堂々としたその姿を見た途端、ライオスは露骨に顔をしかめそうになった。
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Reservoir Amulet2