22


「……そうですね」

ライオスは息をつき、剣を収めた。

「私は、傷付けてはなりませんね。平和を願うなら、尚更」

その言葉を聞いて、アウローラが真剣な顔で頷きを返す。

二人の様子を見ていた男達も構えを解き、ライオスに向かって口を開いた。

「脱走者というのはお前か」

「……さあ。ご想像にお任せします」

「一国の王子でありながら、全てを捨て逃走したと?」

隣のアウローラが目を瞬いて見上げているのを感じながら、自嘲気味の笑みを浮かべて返す。

「そこまで分かっているのなら、早く捕らえたらどうですか?その為に捜していたのでしょう。私はもう逃げも隠れもしません。ただし、彼女は助けて下さい」

哀しくなる程に綺麗な瞳を見詰めて続ける。

「寄る辺を無くした娘さんです。此処で私と共に罪人として捕らえられる義理など、微塵も無いのですから」

「それは我々が決める事ではない。あの方に一存する」

「あの方?」

男達の態度を不審に思って聞き返した時、路地に誰かが入って来た。

やけに堂々としたその姿を見た途端、ライオスは露骨に顔をしかめそうになった。

- 41 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2