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自分がアウローラと過ごし、変われたように。

特別な、大きな力など必要無い。

どうしても抗えないものはあるとしても。

この手で、意志で変えて行ける事はある筈だ。

「貴女はそのままで良いんですよ、ローラ」

アウローラは、ふと泣きそうな顔をした。

そしてライオスに身を寄せ、その胸に顔をうずめた。

震えている肩から、彼女が泣いているのが分かる。

それが悲しみの涙でないという事は、触れ合う体から伝わって来る。

有り難う、と。

アウローラの心の声は、しっかりと届いていた。

どうして彼女が涙を流したのかは分からない。

それでも今、温もりを分け合える事は嬉しい。

後ろ手に縛られているのを残念に思う程に。

もしも両手が自由なら、彼女を抱き締められるのに。

「……ローラ、貴女には願いはありますか?」

やがて、ライオスは囁くように言った。

「私にはあります。以前の私なら迷わず平和と答えていたでしょうけど、最近になって新しい願いが増えたんです」

平和と並ぶ程、大きな願い。

いつしか胸に浮かんでいた、大切な願い。

「ローラ、いつか貴女の声が聞きたい」

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