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そびえ建つ城の中へと入り、王がいる部屋の方へと進む。

しばらく行ってから、ルセスは側に控える者達に待つように告げた。

そしてライオスとアウローラだけを連れ、更に歩き続ける。

最も奥まった所にある立派な扉の前で足を止めたルセスは、二人の方へと向き直った。

何も言わないまま、腰の剣を抜く。

切っ先をライオスに突き付け、淡々とした口調で言う。

「ライオス。お前は、あの方を動かすつもりか」

あの方とは、父である王の事だ。

そう悟ったライオスは、睨み返して応じた。

「ええ、そのつもりです」

「どうあっても意見を翻すつもりは無いのか。こんな形で対面する事になっても尚」

「聞くまでもないでしょう」

案じる瞳を向けて来るアウローラを安心させるように、淀み無く言い放つ。

「王や貴方が戦いを続けるつもりならば、私はいつまでも反対します。お二人と同じく国を導く事など出来ません。私は異なる理想の元に違う国を創るでしょう」

沈黙が続いた。

互いの意志を推し量るかのように、視線だけがぶつかり合う。

やがて、ルセスが僅かに口元に笑みを浮かべた。

「……中々言うようになったな」

何処か満足げな呟きと共に、剣を持つ手を動かす。

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