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重厚な扉を押し開き、中へ踏み込む。
広々とした室内の、更に奥。
王座に座る、厳格さの漂う男性。
ライオスとルセスの父であり、この国を治める王だ。
面と向かって立つのは、いつ以来だろうか。
そうするだけで、王の持つ雰囲気に飲み込まれそうになる。
しかし、飲まれる訳には行かない。
何も持たず飛び出した、以前の自分とは違うのだから。
「……帰ったか」
無言のままライオスとアウローラを眺めていた王が、沈黙を破った。
低く威圧感に満ちた低い声が響き渡る。
「罪人として扱われるのはどうだったか」
「中々快適な船旅が楽しめましたよ」
「自分の考えを押し通した結果はどうだ。旅で得たものなど塵にも等しいだろう」
「確かにそうですね」
笑顔で応じていたライオスの瞳に、ふっと熱い光が宿った。
「しかし、例え塵に等しくとも無ではありません。私はこの旅でかけがえの無いものを得ました」
「何だ?そこにいる娘か」
「そうです」
迷い無く頷き、隣のアウローラの肩に手を置く。
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Reservoir Amulet2