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アウローラが生まれた王族の家系には、代々魔法を使える者がいた。

その力は16歳になると発現する。

王女であるアウローラにも、当然その力があると期待されていた。

力を求めた他の国の王子との結婚が決まり、16歳の誕生日には盛大な宴が催された。

けれども、アウローラは普通の少女だった。

力を発現させる事が出来なかったのだ。

婚姻は破棄され、力を求めたのに裏切られたと怒った相手の国が攻めて来た。

それを知り、彼女の両親である王と王妃は決断した。

ごく普通の娘である王女を眠らせ、時が来るまでは目覚めないようにすると。

彼女が目覚める条件は、平和を願う者の口付け。

争いを終わらせる平和への道標が現れる時、姫は目覚める。

それまでは、城を封じる。

王族の全ての力を以て城を封じ、時を止める。

しかし、それだけの大きな力を振るうには代償も必要だった。

眠りにつくアウローラ自身は、声を失う事になった。

再び話せるようになるには、目覚めた後に姫が愛を知る事が条件だった。

争いが始まる切っ掛けは憎しみだ。

それとは逆の愛を、恐らくは哀しみと痛みで満ちているであろう現実を知っても尚持てたなら。

代償として捧げられた声は戻る。

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