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アウローラが起き上がろうとする気配を感じ、手を貸して抱き起こす。

「もう一度、訊いても良いですか。ローラ、貴女はこの世界に光があると思いますか?貴女の瞳に映る世界は、今も美しいですか」

そう尋ねると、確信の込められた頷きと共に揺らがない声が返される。

「ええ。世界は美しい。いつも光に満ち溢れてる。私は、信じてる」

「……そうですか」

何度訊いても、彼女は何度でも答えてくれる。

以前王の前で語った時と同じか、或いは更に強く。

信じているのだろう。

時に残酷な世界の美しさを。

日々生まれ行く暖かな想いを。

アウローラがそう語る度、そっと背中を押してくれているようで。

まだ遠い道程でも進んで行けると思える。

その迷ってばかりの道行き全てで、いつか彼女に伝えたい。

世界の美しさを、証明したい。

頑なに信じるままに、光満ちる世界を。

「有り難う、ローラ」

蒼玉の瞳を見詰めて言うと、アウローラの白い頬が再び赤く染まった。

「……っ」

目を逸らし、握ったままの手を素早く放す。

「ローラ?」

「…………」

どうも様子がおかしい。

これまでに彼女が見せた事の無い反応だ。

しかし願望から生まれる自惚れでないとしたら、これは良い兆候だ。

非常に良い兆候だ。

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