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いつも質素な衣を着ていた彼女だが、今は違う。

淡い色合いの見た事も無い形の衣の上に、白く薄い羽織のような物を着ている。

耳には小さな飾り玉が光り、首にも細い首飾りがあった。

表情もあの頃よりずっと大人びている。

しかし間違う筈は無かった。

その顔も声も、彼女だ。

間違える筈が無い。

彼女が自分を見ても何も言わないのが不思議だけれど。

体を起こそうとして、周りの様子もおかしいと気付く。

辺りはほとんどが白く、寝かされているのも妙に高く柔らかな台の上だ。

更に驚いた事には自分自身が、体にまとわり付くような薄い布の衣を着ている。

合わせも帯も無く、前の方で丸い飾りで留められている。

「……此処は、地獄か?」

それにしては、どうも変だ。

体を起こして尋ねると、娘は首を振った。

「いいえ。此処は日本。貴方がいた所と、場所自体はそんなに変わらないと思います」

話しながら立ち上がり、掛けられていた白い布を横に動かす。

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