03
神無が此処に来たばかりの頃。
出会って間もない頃。
彼女はいつも、儚い雰囲気を纏っていた。
時が経ち、少しずつ打ち解けてくれて。
笑顔を見せてくれるようになって、お父さんと自然に呼んでくれるようになって。
家族になってくれて。
消えそうな雰囲気も少しずつ薄らいで行った。
それでもあの頃、神無が何も話さず一人泣いていたのは覚えている。
どうして涙が出るのか自分でも分からないまま、孤独な痛みに耐えていた彼女を。
鏑は思い出しながら息をついた。
神無が僅かとはいえ以前に戻ったようなのは、きっと変化が訪れたからだ。
その変化をもたらしたのも、涙の理由を分かち合えるのも。
「氷月……なんだろうな」
見守る事しか出来ないのはもどかしくもある。
しかし、彼等を信じるのもまた自分の役目だ。
然るべき時が来たなら、何も隠さず語るというのも。
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Reservoir Amulet2