08
けれど、逃げる訳には行かない。
手元に現れた武器を掴んで、前へと飛び出す。
研究所への連絡をしていたひかりが、必死に応戦していた研究員を避難させる。
打ち合うと、がっしりと重い手応えがあった。
影魂と戦う為に研究員が手にしていた武器だ。
当たれば、ただでは済まない。
「くっ……」
弾いた相手の剣を、勇が力強く受け止める。
そこへ、神無が更に攻撃を加える。
体を奪われた研究員をなるべく傷付けないよう気を付けなくてはならない。
それが、三人の動きに制限を加える。
厄介な事に、乗っ取っている影魂はかなりの使い手だ。
歯を食いしばった時、三人の体の合間をぬって高速で何かが走った。
はっとして見ると、少し離れた場所でひかりが銃を構えていた。
「私が麻酔銃で加勢するから、影魂を追い出して!」
ひかりは再び狙いを定めながら叫ぶ。
「……有り難いですね」
呟いた神無が、細身の剣を振り上げる。
激しい打ち合いにも怯まないのは、彼女の日頃の訓練があるからだろう。
- 111 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet2