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窓の外を流れて行く景色。

それは数百年の間に大きく姿を変えた。

けれど、そこに暮らす人々の心は変わらないだろう。

きっと誰だって、大切なものを守りたくて。

一人電車に揺られながら、氷月はぼんやりと窓の外を眺めていた。

家族連れに学生、恋人同士。

平日の夕方に、電車を利用する人は多い。

想いが願いが世界を創っているのだと、これらの人々の何人が考えているのだろう。

日々無意識の内に溢れ出す想いは。

綺麗で美しい場所へと、やがて辿り着くだろうか。

物思いにふけっている間に、電車は目的の駅へと滑り込んだ。

電車から降り、改札を抜けてバスに乗り換える。

こちらの生活にすっかり馴染んでいる自分に気付いて、思わず苦笑が洩れた。

以前神無と共に一度訪れただけの場所へ、記憶を頼りに向かう。

きちんと着けるかどうか自信は無かったが、それでも無事に到着した。

まるで何かに呼ばれるかのように。

澄んだ冷たい空気で満ちる、静かな場所。

巫女、天承翼がいる神社だ。

あの全てを見透かすような瞳を持つ巫女に、尋ねたい事がある。

訊いたところで、素直に教えてくれるかは分からないけれど。

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