16


息を吐いて、氷月は続けた。

「影魂の後ろにいる奴のことだ」

「以前仰っていましたね。共通した誰かの悪意を感じると」

「まだ確証は無い。けど、多分僕は知ってる」

目を閉ざすと、今もまだあの時感じた悪寒が蘇る。

間違いであってほしいけれど、間違える筈が無いのだ。

幼い頃から叩き込まれたのだから。

「後ろにいるのは、此処に来る前に僕がいた盗賊団の頭領だ。前の戦いの時、微かだけど気配を感じた。あの人なら……。時を越えて全てを支配しようとしてもおかしくない」

「…………」

翼はしばらくの間、考え込むように沈黙していた。

やがて真剣な表情で口を開く。

「それは神無さんや鏑さんには……?」

「まだ話してない。もっとはっきりしてからの方が良いと思ったから」

「そうですか。では何故、私に?」

- 119 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2