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息を吐いて、氷月は続けた。
「影魂の後ろにいる奴のことだ」
「以前仰っていましたね。共通した誰かの悪意を感じると」
「まだ確証は無い。けど、多分僕は知ってる」
目を閉ざすと、今もまだあの時感じた悪寒が蘇る。
間違いであってほしいけれど、間違える筈が無いのだ。
幼い頃から叩き込まれたのだから。
「後ろにいるのは、此処に来る前に僕がいた盗賊団の頭領だ。前の戦いの時、微かだけど気配を感じた。あの人なら……。時を越えて全てを支配しようとしてもおかしくない」
「…………」
翼はしばらくの間、考え込むように沈黙していた。
やがて真剣な表情で口を開く。
「それは神無さんや鏑さんには……?」
「まだ話してない。もっとはっきりしてからの方が良いと思ったから」
「そうですか。では何故、私に?」
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Reservoir Amulet2