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一度外に出て、少し離れた場所にある建物へと入る。

「研究に携わっている方々は、此処で寝泊まりしているんです」

エレベーターと呼ばれているらしい箱に乗りながら、神無が言った。

「あんたも?」

「はい、そうですよ」

足元が動くと同時に、少しの間奇妙な浮遊感があった。

それが収まってから、二人でエレベーターを降りる。

「こちらが氷月さんのお部屋です」

廊の一番端まで来た神無が立ち止まり、前にある部屋を示した。

「私の部屋はお隣ですから、いつでも訪ねて来て下さいね」

左隣を指し、安心させるように微笑んで続ける。

「心細かったり不安だったりするかもしれませんが、焦らずゆっくりと慣れて下さい。私も出来る限りお力になりますから」

「……あんた、変わってるね」

氷月は、向けられる柔らかな微笑から目を逸らして口を開いた。

「何で他人にそんな親切に出来るんだよ。僕なんか放っとけば良いのに」

「え……」

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Reservoir Amulet2