09
「……私なの、氷月」
神無は繰り返すと目を伏せた。
「時の向こうで、あの村で、貴方と過ごしたのは私なの。私も貴方と同じで、命が消え失せる寸前に、こちらへ呼び寄せられた。強い願いが、叫びがあったから」
「…………」
思わず言葉を失う。
告げられた内容を一瞬理解出来ず、ただ呆然と見返す。
「私、ずっと貴方に……」
言い掛けて、神無の姿がぐらりと揺れる。
慌てて手を伸ばし、意識を失った彼女を受け止めた。
瞳を閉じた白い顔を見返すと、ぱちぱちと炎の爆ぜる音が聞こえて来るようだ。
頬に触れた細い指。
一筋こぼれた朱い涙。
全ての力を振り絞る声。
力無く垂れた腕。
たまらずに溢れた、言葉にならない叫び。
冬の大地を舐め尽くす、熱い炎。
そして、世界は全て朱く染まる。
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Reservoir Amulet2