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「神無はお前と同じだ。今から二年位前に、時空間移動制御装置でこっちに呼び寄せられた。その時の様子は、何とも言えなかったぜ」

思い返すような瞳で、辛そうに表情を歪めて続ける。

「ひどい怪我で、全身血まみれで……。その上髪やら着物やらも焼け焦げていてな。顔には涙の跡がくっきりと残ってた。初めて見た時は、正直助からないんじゃないかと思った位だ」

「……そうだろうね」

忘れる筈は無い。

直前まで共にいた氷月も、まさか彼女が生きているなんて思いもしなかった。

「何とか一命は取り留めたが、目が覚めたらそれまでの記憶を失っていた。怪我の為なのか、装置を通って来た為かは分からなかったけどな」

「そうか。だから僕がこっちで起きてすぐ、記憶があるか訊いたのか」

「ああ。神無がそうだったから、お前もそうかもしれないと思ってな」

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