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だから因縁のある存在がこちらへと引き寄せられた。
神無と自分が此処にいるのは、偶然じゃない。
「前に僕は逃げ出して、途方も無い罪を犯した。その前にも、人を傷付け殺して血を浴びて生きていた」
朱く染まる手のひら。
数え切れない程に浴び、髪から滴り落ちる朱の雫。
これまでに一体、何人の生を奪って来たのか。
それすら覚えていない。
大切なものを失う痛みが、今なら分かるのに。
あの頃は、知る術も無かった。
なんて罪深い生き方をしていたのか。
積み重ねて来た業の数々は、朱く花開いて。
思いがけない所で、自分の道を阻む。
だから償うしかないのだ。
償い切れないと分かっていても、一生。
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Reservoir Amulet2