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痛みも苦しみも、そんなものはどうでも良かった。
自分よりもきっと、傷付いているから。
貴方はきっと、哀しんでいるから。
だから、どうしても伝えたくて。
火を掛けられた村に、親しい隣人が斬られる。
寒い冬の日、不意に訪れた惨状。
目の前で起こっている事が信じられず、呆然と佇むしか出来ずに。
何故、こんな事になったのか。
ただ、恋しい人を待っているだけの時だった筈なのに。
どうして、こんな事に。
逃げたり、隠れたりするのも忘れて立ち尽くす。
そして突き付けられた刃の冴えた光。
それはどうしてか、待っているあの人を思い出させた。
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Reservoir Amulet2