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「……朱月という子供を知らぬか」

低く淡々とした声。

「最も、己のことは隠しているかもしれんが。少し前に、この辺りに子供が一人来なかったか」

「……知りません」

直感的に、あの人を捜しているのだと思った。

自分が氷月と呼び、共に暮らしていたあの人を。

何としても、隠さなければ。

「嘘を吐くな」

更に近付けられた刃の切っ先が、頬に触れた。

一筋、熱い液体が流れたのが分かる。

「村人の幾人かが、お前と暮らしていた者のことを話していた。夏頃、突然現れたという者のことをな。お前は、氷月とか呼んでいたのだったか」

「…………」

無言のまま、唇を噛み締める。

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