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炎の気配が近くなって来た。

放っておいても死ぬと思ったのだろう。

突き付けられていた刃が離れ、見えていた相手の足が遠ざかる。

炎は最早、住んでいた小屋を覆っているようだ。

このままでは、崩れる。

ぐっと唇を噛み、体中に力を込める。

立つなど不可能だが、何とか這う事は出来た。

氷月はきっと約束を守って、此処へ帰って来る。

だから、伝えたい。

このまま果てるとしても、己の全ての力を使って。

薄れ行く意識の中、ようやく小屋の外まで這い出す。

動くのは、そこまでで精一杯だった。

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Reservoir Amulet2