27


「私、貴方を……ほんの少ししか知らないままだったけど……。それでも、知っている貴方も、知らない貴方も、全部……全部、大好きだよ」

届いてほしい。

自分が貴方を助けた事、こんな別れになってしまった事が、貴方を苦しめてしまうかもしれないけれど。

後悔なんてしていない。

間違っていたなんて、どうしても思えないから。

貴方と過ごせた一時より幸せな事なんて無いから。

「神無、もういい。話すな」

感情を押し殺したような声に止められても、尚も息を吸い込む。

「ねえ、氷月……。貴方は幸せに、生きてね……」

生きている事実を悔やんだりしないで。

貴方がいつも何処かで自分自身を責め続けていたと、分かっているから。

どうか、これからは幸せに。

- 157 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2