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自分が知る前の、朱月と呼ばれていた頃の貴方を、自分は知らない。
一体どんな生活をして、何を思っていたのか。
想像は出来ても、正確には分からない。
でも、それでも揺らがない。
どんな貴方も、それが貴方なら。
全てが大切で、受け止めたい。
「私、貴方に会えて……。本当に幸せだったよ……。哀しませて、ごめんなさい……」
変わらない、何があっても。
哀しませてしまうのは、本当に心苦しいけれど。
氷月の頬に触れた指に、熱い涙を感じる。
最後にこんなに泣かせてしまうのは、つらいけれど。
どうか届いてほしい。
貴方に出会えて、幸せだった。
側にいられて、一緒に過ごせて嬉しかった。
「有り難う……」
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Reservoir Amulet2