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「さて、氷月。頭領とやらは近くにいそうか?」

「……いる。でも多分、本体じゃないけど」

この前と同じ、影に隠れたものだ。

一体、頭領を倒すにはどうしたら良いのか。

何処を攻めれば良いのか。

「戦いながら探るしか無いようだな」

考えを読んだように、鏑が大太刀の柄を握り直した。

彼にも分かったのだろう。

近付いて来る、異様な雰囲気が。

『……朱月。またも我の邪魔をするか。我はお前を、もう少し賢く育てたと思っていたが。見込み違いだったか』

ぼんやりと浮かぶ、人の形を模した影。

直接胸の底に響くような、重圧感に満ちた声。

「現れやがったか」

口元に笑みを刻んだ鏑の瞳にも、緊張が走った。

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Reservoir Amulet2