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力を込めて、太刀を握り直す。
「そうだ、氷月!やってやるぞ!」
怒鳴った鏑と共に、影の方へと斬り掛かる。
『……愚かな』
冷笑が含まれた言葉を気にせず、手応えの無い相手の動きに神経を集中させる。
例えこれが本体ではなくとも、こうする事で掴めるものもあるかもしれない。
此処で掴まなくては、今後どうすれば良いかの糸口さえ分からないままなのだ。
その一心で剣を振り続け、氷月はふと不思議に思った。
何だろう。
いつもより体が動く。
まるで太刀に導かれるかのように、頭領の影の動きを読める。
『何……?』
それは相手も感じたようだ。
苛立ちと焦りを含んだ声は、初めて聞いた。
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Reservoir Amulet2