12


力を込めて、太刀を握り直す。

「そうだ、氷月!やってやるぞ!」

怒鳴った鏑と共に、影の方へと斬り掛かる。

『……愚かな』

冷笑が含まれた言葉を気にせず、手応えの無い相手の動きに神経を集中させる。

例えこれが本体ではなくとも、こうする事で掴めるものもあるかもしれない。

此処で掴まなくては、今後どうすれば良いかの糸口さえ分からないままなのだ。

その一心で剣を振り続け、氷月はふと不思議に思った。

何だろう。

いつもより体が動く。

まるで太刀に導かれるかのように、頭領の影の動きを読める。

『何……?』

それは相手も感じたようだ。

苛立ちと焦りを含んだ声は、初めて聞いた。

- 172 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2