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「……贖い?」
巫女は深く息をつき、再び落ち着いた様子で続ける。
「疑問に思われたのではありませんか。氷月さん、貴方が所属していたという盗賊団の頭領。彼が、何故死んだのか」
「…………」
何も言わずに見返す。
とんでもない事実を聞かされそうな予感があった。
「長く行動を共にした貴方ならば、疑問に感じたのではありませんか。影魂となっているという事は死んだという事。しかし、あの者が死ぬなど考えられないと」
その通りだ。
どう考えても、想像出来ない。
あの頭領が、死に伏すところなど。
「その疑問は正しいのです。彼が命を落とすなど有り得ません。彼は遥か太古の昔から存在している、時を超越した者だからです」
「……何だって?」
「人の負の感情、憎しみや嫌悪や恨み……。そういったものが凝り固まって生まれた……人の抱える闇の象徴、それがあの者の正体です。人の形をとってはいますが、その内に秘めた力も闇も計り知れない強大なものです。故に彼は年を取る事も、死ぬ事もありません」
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Reservoir Amulet2