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「……そんなあんたが、どうして殺したんだ?あの人を」
美しい想いの象徴である筈の存在が、何故。
自らの手を汚したのか。
「ちょっとした喧嘩……いさかいと言いましょうか」
「……は?」
「考え方の違いとか、価値観が相容れないとか、他にも言い方はあるでしょうけど」
「いやいや、そんな恋人と別れた理由みたいな事言われてもな」
慌てたように鏑が口を挟むと、翼はかたをすくめた。
「本当ですよ?もう話し合いでは解決出来ない段階に進んでしまって。私は仕方無くあの人を倒そうと涙を飲んで」
「頼むから、本当に恋人と別れる時にはそんな物騒な思考をするなよ」
「それはとにかく」
氷月は微妙に横道に逸れ掛けた話を元に戻す為に言った。
「あんたと頭領がそこまで喧嘩した理由は何?」
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Reservoir Amulet2