08


生きているだけで、辛く苦しい。

そんな時だってあるけれど。

きっとその先に歓びが待つと。

貴方の微笑みがあると思えたら、それだけで。

どんな記憶も抱き締めて行けるだろう。

自分の部屋にいた神無は、ノックの音に顔を上げた。

「あっ、はい」

慌てて返事をすると、ドアが開く。

「ちょっといいか、神無」

そう言いながら中に入って来た鏑が、動きを止めて目を見張る。

「それは……あいつのか」

「はい」

頷きを返し、服の上に乗せた着物を撫でる。

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