12


柔らかな日射しとまだ冷たさの残る風が心地良く感じる。

「此処、勇さんとひかりさんに教えてもらったの。二人の想い出の場所なんだって」

「……へえ」

手すりにもたれた神無は、眩しそうに夕方の空を見上げた。

「時が違っても、空は同じなんだね。覚えてる?よくこうして、二人で空を見たよね」

「覚えてるよ」

忘れる筈が無い。

彼女と身を寄せ合うように過ごしたあの日々があるから、今の自分があるのだから。

「……あのね、私」

吹き抜ける風に髪を揺らしながら、呟くように続ける。

「私、聞いてたの。あの時、体は動かなかったけど、貴方の叫びを慟哭を聞いてた。だから氷月に会いたくてたまらなかった。私をこちらへ呼び寄せたのは、その気持ちだったの」

- 198 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2