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柔らかな日射しとまだ冷たさの残る風が心地良く感じる。
「此処、勇さんとひかりさんに教えてもらったの。二人の想い出の場所なんだって」
「……へえ」
手すりにもたれた神無は、眩しそうに夕方の空を見上げた。
「時が違っても、空は同じなんだね。覚えてる?よくこうして、二人で空を見たよね」
「覚えてるよ」
忘れる筈が無い。
彼女と身を寄せ合うように過ごしたあの日々があるから、今の自分があるのだから。
「……あのね、私」
吹き抜ける風に髪を揺らしながら、呟くように続ける。
「私、聞いてたの。あの時、体は動かなかったけど、貴方の叫びを慟哭を聞いてた。だから氷月に会いたくてたまらなかった。私をこちらへ呼び寄せたのは、その気持ちだったの」
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Reservoir Amulet2