03
その中央、人が通れそうな輪のある部分に、今エネルギーが通されて行く。
それは次第に強くなり、風を起こしながら光を放つ。
『時空間移動制御装置、起動成功!お前ら、必ず帰って来いよ!』
鏑の声が、背中を押してくれる。
二人は手を固く繋ぎ、装置の中へ身を躍らせた。
その途端に激しい衝撃が襲い、意識が遠のきそうになる。
けれど結ぶ手の温もりが、手放しそうになる意識を留めてくれる。
視界を占めるのは眩しい光と、強い風。
しかし少し経つと、その中に確かに暖かさがあるのを感じる。
行くべき所へと導いてくれる力の源が優しいからか。
同じ事を考えていたらしい神無と目が合い、繋ぐ手に力を込める。
髪を乱す風に目を細めながら前を見据えると、やがて光の中に微かな点が見えた。
それはみるみる大きくなり、そのまま体が吸い込まれる。
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Reservoir Amulet2