07
神などいない。
悲痛な叫びが貫いたのは、寒い冬の日。
各地の神が出雲に旅立つと言われる月。
空気の冷たさが身を切るように感じる神無月。
それでも全てが暑かった。
包み込まれるのは狂おしい朱【あか】。
凍る大地を溶かして舐め尽くす。
胸の痛みが切り裂くように。
無情な冬空に叫びは消えて行く。
- 210 -
[
*前
] | [
次#
]
しおりを挟む
ページ:
時の境
争の楔
魂の刃
人の念
晦の夜
内の声
業の花
朱の戦
静の刻
月の夢
愛の神
後書き
Reservoir Amulet2