08


静かな冬の空を、不意に炎が染め上げた。

立ち昇る黒い煙、人々の悲鳴。

畑を家を尊い命を。

次々と飲み込む、忌まわしき朱。

その様は、地獄絵図か。

ぱちぱちと爆ぜる火、流れて地面に染み込む血。

全てが、全てが朱く朱く。

ひらめく白刃さえも、炎を映して朱い。

こんな酷い惨状を、他には知らない。

今までに様々な惨状を見、そしてこの手で残して来てしまったけれど。

それでも、これ程に。

これ程に酷い様を、他には知らない。

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