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山の中にいる内から、焦げ臭い匂いが鼻をついた。

はっとして進む方角の空を見ると、朱い炎と黒く立ち昇る煙が見えた。

まさかと思って走り出す。

息を切らして辿り着いた村は、炎に包まれていた。

血を流して倒れている村人達の息は既に無い。

『私、ずっと待ってるね。氷月』

「……っ」

夢中で火の中を駆け、神無と暮らした小屋へと向かう。

彼女との想い出の場所は、目を覆いたくなるような惨状と化していた。

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Reservoir Amulet2