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不意に足音が聞こえた。

視線を向けると、一人の少年が走って来るのが見えた。

ああ、あれがかつての自分か。

名を呼びながら倒れている彼女の元へ駆け寄るのを見詰める。

もっと動揺するかと思ったけれど、不思議と心は凪いでいた。

もう何度も何度も、自分の中で繰り返した場面だからだろうか。

今も鮮明に思い出せる。

あの時感じた事、甦った記憶、朱く染まる両手。

全てが焼き付いて離れない。

かつての自分の姿に重ねるように、繰り返す。





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Reservoir Amulet2