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体を起こそうとして、周りの様子もおかしいと気付く。

辺りはほとんどが白く、寝かされているのも妙に高く柔らかな台の上だ。

更に驚いた事には自分自身が、体にまとわり付くような薄い布の衣を着ている。

合わせも帯も無く、前の方で丸い飾りで留められている。

「……此処は、地獄か?」

それにしては、どうも変だ。

体を起こして尋ねると、娘は首を振った。

「いいえ。此処は日本。貴方がいた所と、場所自体はそんなに変わらないと思います」

話しながら立ち上がり、掛けられていた白い布を横に動かす。

隠されていた向こうに見えるのは、今まで想像した事も無い景色だった。

高く四角い建物に、小さく見える人。

此処が地面からとても高い所にあると分かる。

息を飲んで眺めていると、娘が安心させるようにゆっくりと言った。

「そして今は、貴方がいた頃から何百年も経った十一月。旧暦で言うと、神無月という事になりますね」

神無月。

聞き慣れた響きに娘の方を見返すと、優しい微笑が向けられた。

「詳しい事はこれから説明しますが、まずは自己紹介ですよね。私は清世【きよせ】神無。貴方のお名前は?」

「……氷月」





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