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しかしそれも一瞬で、すぐにその顔が苦しそうに歪む。

矢が刺さった所から、どす黒い影のようなものが溢れ出る。

「……っ」

巫女はすぐにそれを鎮めようと動いたが、影から放たれる力は恐ろしく大きい。

差し伸べられた巫女の手から、もう一つの力が溢れた。

それは光。

愛し慈しみ想う力。

ぶつかり合い拮抗し、影を、包み込もうと広がる想いの力。

しかし、それを放つ巫女が唇を噛み締めた。

光は闇に押し返される。

徐々に侵食するように大きくなって行く闇が、やがて弾けるように飛び散る。

光の抑えを跳ね飛ばすように、闇の欠片が世界に散らばってしまう。

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Reservoir Amulet2