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此処から、始まったのだ。

巫女の、孤独な戦いの日々が。

そして、時の向こうで彼女は語った。

影が消え、糸が集まり、力を削がれた彼は押し込まれた。

その集めた力の源は、縁を持つ者達が時を越えた事で繋がり易くなった道を辿って。

此処へ還って来ると。

隣にいる神無が立ち上がり、空を見上げた。

凍り付く冬空を分かつかのように、黒い糸が伸びる。

恐ろしい速さで天に根を張って行く中心から、闇の雰囲気を纏った人影が現れる。

「来たね」

氷月は手に持っていた太刀を握り、降り立つ者を待ち構えた。

それが誰であるかなど、考えるまでもなく分かる。

かつては自分にとって、恐怖の対象でしかなかった。

しかし、今は。

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Reservoir Amulet2