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豊富な食材が並ぶ店に来る度、何て贅沢だろうと思う。

今の季節には合わない春や夏の野菜や果物まで、溢れる程に棚に並んでいる。

「寒いですし、お鍋にしましょうか。あっ、カレーもいいですね」

「鰈【かれい】?魚料理って事?」

「いいえ、野菜やお肉が入っていて、スパイスが効いているお料理です」

「すぱいす?」

微妙に噛み合わない会話を交わしながら、籠に選んだ物を入れて行く。

「あ、お父さんのお酒も買って行かないと」

鏑が飲む酒を棚から取りながら、ふと神無が尋ねた。

「そういえば、氷月さんって何歳なんですか?私よりはお若い……ですよね?」

「多分ね。正確には分からないけど」

「うーん。そうなると、お酒が飲めるか微妙な年頃になりますね」

考え込んだ神無を見て、氷月は聞き返した。

「あんたは?」

「私ですか?私は24歳になったばかりですよ」

そう答えてから、微笑んで付け足す。

「でも私も、本当は正確には分からないんですけどね。書類上はそうなっていますけど、本当はもう少し、上か下かもしれません」

「……分からない?」

「お父さん……鏑さんと私は、血が繋がっている訳では無いんです。身寄りが無い私を引き取って下さったのが鏑さんでして」

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