07
悪い事を訊いてしまっただろうか。
考え込んだ氷月の心を読んだかのように、神無は明るく言う。
「でも、寂しくないですよ。お父さんがいますし、氷月さんともお会い出来ましたし」
いきなり自分の名前が出て来て驚く間も無く、再び頭を撫でられる。
「嬉しいです。弟が出来たみたいで」
「弟……」
「ちょっと素直じゃないところが、また可愛いらしいです」
言い切られると何だか複雑だが、神無が相手では怒る気にもならない。
会計をする為に歩き出した娘の後ろ姿を見ながら、小さく呟く。
「まあ、いいか」
彼女があんな風に笑ってくれるなら、それだけでいい。
それだけで、自分はきっと生きて行ける。
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Reservoir Amulet2