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悪い事を訊いてしまっただろうか。

考え込んだ氷月の心を読んだかのように、神無は明るく言う。

「でも、寂しくないですよ。お父さんがいますし、氷月さんともお会い出来ましたし」

いきなり自分の名前が出て来て驚く間も無く、再び頭を撫でられる。

「嬉しいです。弟が出来たみたいで」

「弟……」

「ちょっと素直じゃないところが、また可愛いらしいです」

言い切られると何だか複雑だが、神無が相手では怒る気にもならない。

会計をする為に歩き出した娘の後ろ姿を見ながら、小さく呟く。

「まあ、いいか」

彼女があんな風に笑ってくれるなら、それだけでいい。

それだけで、自分はきっと生きて行ける。





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