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「神無!行こう」

「ええ」

二人は左右に別れ、頭領から繋がる帯を次々に断ち切った。

武器には、翼が祈祷をしておいてくれている。

だから頭領に力を与えている糸を切る事も容易い。

武器を振り下ろす度、断ち切る度、確かな感触がある。

自分に降り掛かって来るのを感じる。

生に対する絶望、世界に対する失望。

誰かに対する憎しみ、恨み。

集まり積もり凝り固まる人の思念。

かつては自分も心の底にいつも渦巻いていた。

破滅を願う冷たき感情。

それは確かに世界を構成する基に直結し、いずれは全てを覆い尽くし滅ぼすだろう。

気を許せば流されそうになる、大きな渦。

けれど、その中で。

どん底まで落ちて行くような絶望の中、たった一つでも。

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