06


「神無。あのさ」

少しの間迷ってから、氷月は切り出した。

「僕、前に……神なんていないって思った事があるんだけど」

唐突に出たように思える話題でも、神無は静かに聞いてくれる。

だから話したくなる。

時に背を向けて素っ気無くして来たにも関わらず、いつも側にいてくれた彼女だから。

「もしもいるなら、こんな残酷な事を許す筈が無いって。だけど最近では、もしかしたらいるんじゃないかって思い始めたんだ」

見上げる空は、青く高い。

こんな穏やかな心で空を見上げる日が来るなど、かつては思ってもみなかった。

「例えば天承さんとか頭領とかだって、神だって言われても納得出来るし。覚えていない位昔から生きて人の世を見守っていたって言ってたし」

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