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「そう……なのかな」
もう、自分でも分からない。
「好きなのか、そうじゃないのか……分からないんだ」
届かない美しさに、ただ憧れて。
いつか届きたいなんて思ってしまえば。
また失ってしまいそうな気がして。
好きなのか、苦しいのか。
もう、よく分からなくなってしまった。
「私は好きですよ。月の光」
気が付くと、神無が屈託の無い笑顔を向けていた。
「特に、冬の凍るような月が。綺麗で、心が洗われますから。痛い程に」
「…………」
どんなに似ていても、此処にいる神無と彼女とは別人だ。
そう分かっている筈なのに、こうして似ているところがあると。
重なるところがあると、どうしても。
『ねえ、氷月……。貴方は』
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Reservoir Amulet2