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それは間違い無く刃だった。
細身の直剣を、神無は迷い無く構える。
そして影の方へと近付き、振りかざした剣を一閃させる。
断ち切られた影は暫し留まった後、ぼんやりと消えた。
それを見届けてから、神無は再び携帯を取り出す。
「鎮静、完了致しました」
報告を終えると同時に、その手に握られていた剣が、現れた時と同様に突然消えた。
立ち尽くしたままの氷月に向き直ってから、神無は引き締まった表情を僅かに緩める。
「……驚きましたよね。取り敢えず、帰りましょう。詳しい説明は、その後に」
歩き出した娘の後に続きながら、あの影が浮かんでいた街灯の方を振り向く。
一体何が起きている。
平和で穏やかに見える生活の、その裏で。
剣を握って戦うような何かが起こっているというのか。
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Reservoir Amulet2