03
呆れたようにそう言ってから、集まって拍手をしている観客に告げる。
「ほら、散った散った!仕事に戻れー」
見物していた研究者達が追い払われて去って行くのを見届けて、鏑は改めて二人に目を向ける。
「今まで、口を挟む隙も無かったぜ。木刀が折れるって、どれだけ本気だったんだよ」
「あら、私の本気はあんなものではありませんけど」
神無は笑顔で答え、氷月を見て続けた。
「でも、やはり氷月さんはお強いですね。これなら、すぐに実戦に出て頂いても問題は無いでしょう」
「ああ、何の問題もねえな。やるじゃねえか、氷月。神無のしごきに耐える奴は、ごく僅かだぜ」
「人聞きが悪い事を言わないで下さい。明らかに怪我をしてしまうような方を、敢えて危険な場所に連れて行く訳には行かないでしょう」
すると鏑は、苦笑しながら腕組みをした。
「しかし、いきなりやり過ぎだろ。さっきまでお前を守るとか、女に手なんて上げられないって言ってた奴が、思い切り引いてるぞ」
「………僕は別に」
手に持っている木刀を見詰めていた氷月が、はっと我に返って応じた。
「どうしましたか、氷月さん。もしかして、何処か痛めてしまいましたか?」
気遣うような瞳をした神無に対して首を振る。
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Reservoir Amulet2