05


立ち去る氷月と鏑の後ろ姿を見ながら、神無は自分の額に触れた。

最近、不思議な感覚がある。

時々、心の奥深くから誰かが呼んでいるような。

忘れている何かが、呼び覚まされるような。

そしてそれは、氷月と言葉を交わす時に訪れる事が多い。

あの冬の空に浮かぶ、月の光によく似た瞳と目が合う度。

見詰められる度、見詰める度に。

心が揺さぶられるのと同時に、疑問が浮かぶ。

彼が悔恨を込めて見ているのは誰なのだろう。

軽はずみに尋ねてはいけないのだと分かるけれど。

それでも疑問は浮かぶ。

- 47 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2