05
立ち去る氷月と鏑の後ろ姿を見ながら、神無は自分の額に触れた。
最近、不思議な感覚がある。
時々、心の奥深くから誰かが呼んでいるような。
忘れている何かが、呼び覚まされるような。
そしてそれは、氷月と言葉を交わす時に訪れる事が多い。
あの冬の空に浮かぶ、月の光によく似た瞳と目が合う度。
見詰められる度、見詰める度に。
心が揺さぶられるのと同時に、疑問が浮かぶ。
彼が悔恨を込めて見ているのは誰なのだろう。
軽はずみに尋ねてはいけないのだと分かるけれど。
それでも疑問は浮かぶ。
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Reservoir Amulet2