11


二人の会話を邪魔しないように遅れて歩いていた氷月の肩を、いつの間にか横に来ていた勇が軽く叩いた。

「……あんまり、思い詰めるなよ」

掛けられた言葉に驚いて見返した瞳は、労るように細められていた。

「何かさ、お前を見てると思い出すんだ。昔の、色々張り詰めてた自分を。だから、何か俺で力になれる事があったら言ってくれ」

「あんたが昔は張り詰めてたなんて、今からは全然想像出来ないけど」

「そうか?ま、昔の俺よりお前の方がしっかりしてる感じだけどな。何しろ俺は、何も無いと思ってた……。思い込んでたからな」

氷月は大人の表情で過去を思い出す勇を見上げて尋ねた。

「そんなあんたを変えてくれたのは、ひかりさん?」

- 53 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2